自然系断熱材の話(フォレストボード編)
2019年 09月 22日
前回のウールブレスの話からの続きです。
今回は、ほぼ完全に自然素材のフォレストボードのお話です。
原料は、杉樹皮49%、バージンパルプ49%、トウモロコシから作られたコーンスターチ糊2%のみで、添加物は一切なし。
スギの間伐材ではなく、製材の時に出る樹皮(バーク)を利用したものです。
樹皮とバージンパルプの割合がほぼ同じというのが気にかかりますが、化学物質過敏症の大工職人がこよなく愛する素材です(笑)
シックハウスの告示対象外。木材等と同じくF4(規制対象外)の表示も不要。
ウールブレスのNタイプ同様、ほぼ完全に「脱プラ」です。
樹皮は経験的にシロアリや腐れに強いことが知られていますが、さまざまな実験もされています。
イエシロアリの摂食試験結果
シロアリによる食害量(重量比)
フォレストボード5~10%程度
杉の辺材30%程度
腐朽菌による重量減少試験結果(重量比)
カワラタケ キチリメンタケ
フォレストボード なし 1%前後
杉の辺材 20~26% 36~49%
シロアリに対してはスギの辺材の1/3の食害量ですから、外壁の通気胴縁などにつかう下地材よりも強いことになります。
腐朽菌に関する効果は非常に大きいのがわかります。
熱伝導率は0.044で、ウールブレス、グラスウール16Kとほぼ同等です。
特徴は、熱容量が比較的大きいことと左官の下地材にもなるというところです。
でもなによりもいいのは、廃棄の時に普通に燃やせること。当然、カーボンニュートラル。
脱プラスティック、完全には難しいけどできることはまだまだありそうです。
ただし、自然系断熱材の断熱性能は最近の超高性能のプラ系断熱材にはかないませんので、HEAT20のG2グレード以上の断熱性能を求めるのであればそちらを使うことも十分にありえます。無垢の木の良さを活かすために薄くて高性能なものを使うことも考えられます。もしくは暖房をカーボンニュートラルな薪やペレット、高性能エアコンにする手もあります。そのあたりのバランスはお施主さんと相談して決めていきます。
(ご参考)
似たような商品に「ウッドファイバー」という商品があります。
こちらは樹皮ではなくて間伐材利用です。
ウッドファイバーとフォレストボードの比較
以下は上記サイトからの引用です。
”フォレストボードが針葉樹の杉の皮なのに対しウッドファイバーは針葉樹の間伐材が原料となっています。
ウッドファイバ―は北海道で生産されています。
生産工程においてもバーク(樹皮)燃料を使うなど極力化石燃料に依存しない製法を採用しています。
製品バリエーションも広く40mm~140mmまで揃え、サイズも多く展開し使いやすくなっています。
ウッドファイバーは製品の安定の為に石油由来のオレフィン繊維が10%ほど混入されていますので、フォレストボードに比べれば工業製品に近く、シックハウスの規制対象品でありF4の表示となります。
シックハウス規制対象
フォレストボードと違い完全に自然素材のみの製品ではありません。
防火性能を付加するために難燃剤として、ポリリン酸アンモニウムが使われています。
また、製品の形態を安定させるため石油由来のオレフィン系繊維が約10%ほど混入されています。
性能を上げ使いやすくしている反面、完全な自然素材とは言えません。”
by hidamari_musees
| 2019-09-22 07:53
| 木のいえ