人気ブログランキング |
タグ:脱プラ ( 2 ) タグの人気記事
自然系断熱材の話(フォレストボード編)
前回のウールブレスの話からの続きです。

今回は、ほぼ完全に自然素材のフォレストボードのお話です。

原料は、杉樹皮49%、バージンパルプ49%、トウモロコシから作られたコーンスターチ糊2%のみで、添加物は一切なし。
スギの間伐材ではなく、製材の時に出る樹皮(バーク)を利用したものです。
樹皮とバージンパルプの割合がほぼ同じというのが気にかかりますが、化学物質過敏症の大工職人がこよなく愛する素材です(笑)
シックハウスの告示対象外。木材等と同じくF4(規制対象外)の表示も不要。
ウールブレスのNタイプ同様、ほぼ完全に「脱プラ」です。

樹皮は経験的にシロアリや腐れに強いことが知られていますが、さまざまな実験もされています。

イエシロアリの摂食試験結果
 シロアリによる食害量(重量比)
 フォレストボード5~10%程度
 杉の辺材30%程度

腐朽菌による重量減少試験結果(重量比)
          カワラタケ キチリメンタケ
 フォレストボード なし    1%前後
 杉の辺材     20~26%  36~49%

シロアリに対してはスギの辺材の1/3の食害量ですから、外壁の通気胴縁などにつかう下地材よりも強いことになります。
腐朽菌に関する効果は非常に大きいのがわかります。

熱伝導率は0.044で、ウールブレス、グラスウール16Kとほぼ同等です。
特徴は、熱容量が比較的大きいことと左官の下地材にもなるというところです。

でもなによりもいいのは、廃棄の時に普通に燃やせること。当然、カーボンニュートラル。
脱プラスティック、完全には難しいけどできることはまだまだありそうです。

ただし、自然系断熱材の断熱性能は最近の超高性能のプラ系断熱材にはかないませんので、HEAT20のG2グレード以上の断熱性能を求めるのであればそちらを使うことも十分にありえます。無垢の木の良さを活かすために薄くて高性能なものを使うことも考えられます。もしくは暖房をカーボンニュートラルな薪やペレット、高性能エアコンにする手もあります。そのあたりのバランスはお施主さんと相談して決めていきます。


つづき・・・(ご参考)ウッドファイバーとフォレストボード
by hidamari_musees | 2019-09-22 07:53 | 木のいえ
自然系断熱材の話(ウールブレス編)
マイクロプラスチックや地球温暖化の問題など脱プラの流れを意識して、なるべく自然素材を使いたいと思っています。

無垢の木の良さを伝える!という観点からも、無垢の木の間に化学物質満載というのは感覚的におかしい。理屈から言ってもほんとうは意味のあるものかもしれないけど、今ここでは人間の感性の問題としておく。

今回は断熱材。
グラスウール、ロックウールなどの無機系素材
スタイロフォーム、ウレタンフォームなどの石油系素材
などが、現在の断熱材の主流となっています。

自然系素材としては、ウールブレスなどの羊毛、セルロースファイバー(紙)、フォレストボードなどの植物由来のものがあります。


今回は、ウールブレス(羊毛断熱材)

成形するのに接着剤ではなく、熱融着という手法を使っています。
熱融着とは、接着剤を使わないで融点の異なる素材を熱や高周波で成形することをいいます。ウールだけだと熱融着できないので、ウールブレスではウール以外にリサイクルポリエステル繊維を20-30%混ぜているそうです。それゆえに、ウール100%ではないです。化学繊維が混ざり、できるだけ自然素材を活用するという素材になります。ただし、化学繊維の代わりに、とうもろこし繊維を使ったナチュラルタイプという100%天然素材の商品もあります。

このリサイクルポリエステル繊維ですが、健康的な断熱材としてよく使われる「パーフェクトバリア」の主原料です。
ポリエステルの特徴は上記サイトに記載されている通りです。完全燃焼で水と炭酸ガスになります。

ちなみに、グラスウールは成形のために微量のフェノール樹脂を使っています。ただ、グラスウールは鉱物系なので、脱プラ系の断熱材としては優れていると思います。

V type バージンタイプ  (リサイクルポリエステル繊維20-30%)熱伝導率0.040
R type リサイクルタイプ (リサイクルポリエステル繊維20-30%)0.044
N type ナチュラルタイプ (とうもろこし繊維)0.040

値段は、設計価格で3坪、V 27,000円、R 18,000円 N 27,000円(Nは規格が1種類のみ)

防虫にはオクトボーという岩塩由来の忌避剤、以下の表記があり、これ以外の添加物は一切ないそうです。

”ウールブレスには「オクトボー」という天然の岩塩から抽出した防虫剤を使用しています。
このオクトボーは少ない量で充分な防虫効果を発揮するホウ酸を主成分としています。ホウ酸は目薬などにも使用されている成分なので非常に安全性が高く、揮発・蒸散することもありません。また、オクトボーはあくまで忌避剤として効力を発揮しており、害虫を死滅させる殺虫剤ではありません。オクトボーは、人と環境に優しい防虫剤なのです。”

100%自然素材ではない(Nタイプを除く)ですが、できるかぎり天然素材をもちいた良い素材だと思います。
混入されるリサイクルポリエステル樹脂も、それそのものが健康的な断熱材料として評価されており、燃やしてもダイオキシン等の有害物質を出さず、完全燃焼すれば水と炭酸ガスになるというものですので、廃棄という観点からも比較的安心して使用できます。

吸放湿性が高く、濡れても復元性があるので、その点も評価できると思います。
無垢の木を生かしたい!!という意味では、とてもなじみが良い断熱材だと思います。

廃棄のときは、ヘタレないのでリユースがいちばん。ポリエステルが混じっているものはリサイクル可能なのか調べてみたい。

脱プラスティック、完全には難しいけどできることはまだまだありそうです。

ただし、感覚的なものが許せば、高性能グラスウールやパーフェクトバリアなどに置き換えることも十分に考えられます。

by hidamari_musees | 2019-09-21 09:54 | 木のいえ



2013年に安曇野に移住した一級建築士事務所のお話。すまいはひとりひとりのミュージアム♪
by ひだまりミュゼ
Link !!
ひだまりミュゼ 建築士事務所
ひだまりミュゼ web

Facebook ページ
ひだまりミュゼ
ブログの更新情報など

<資料室>
sumai+
mansion+

マン管備忘録
カテゴリ
全体
contact us
安曇野の暮らし
安曇野への移住(基本編)
安曇野の自邸(築35年フル改修)
木のいえ
古民家再生
+ 古民家改修(北穂高)
+ N氏の工房ハーフビルド(豊明市)
+ 天然素材のマンション改修(名古屋)
+ 昭島中神の家(昭島市)
+ 大泉学園の家(練馬区)
+ ログハウスリノベ(軽井沢)
+ 日向和田の家(青梅)
+ 減築プロジェクト(小金井)
+ 環の家(日の出)
+ 古民家リノベ(梓川梓)
+ 築90年のリノベ(青梅)
+ あきる野の家(あきる野市)
+ ひだまりの家(日の出)
+ ムク材マンション(東京)
セルフビルド
家具
すまい考
ペレットストーブ
再生可能エネルギー


東京の木
マンション管理
日記
資料室
311 大震災の夜
最新の記事
自然系断熱材の話(フォレスト..
at 2019-09-22 07:53
自然系断熱材の話(ウールブレ..
at 2019-09-21 09:54
表層地盤増幅率
at 2018-11-04 07:42
安曇野から新宿方面へ行く方法
at 2018-04-27 11:50
安曇野の冬は太平洋側の気候
at 2018-02-04 10:02
安曇野から大阪方面へ行く方法
at 2017-12-07 12:10
安曇野から名古屋方面へ行く方法
at 2017-12-07 11:50
大糸線
at 2017-12-07 10:52
地域包括支援センター(高齢者..
at 2017-12-07 10:22
安曇野市の適正な土地利用に関..
at 2017-12-06 17:42
タグ
フォロー中のブログ
森林・林業データベース
うちの食卓 Non so...
ほどくぼ日記
irei blog
身体と心のよりどころ
ひだまりミュゼ マンショ...
kyoco日記
続・U設計室web diary
ひなたの場所
スタジオ紡
【匠のデジタル工房・玄人専科】
ひだまりミュージアム
ひとりごと
Wind
東京ペレットのブログ
東京の木で家を造る会 ...
NPO プレイス
Greener World
人生の宝物 by 金田裕子
いまここで
M42マウントレンズ地獄
hallelu-ya 太...
香恋の里しもやまの「クラ...
測定器47台プロジェクト
浜中材木店のブログ
検索
以前の記事
2019年 09月
2018年 11月
2018年 04月
2018年 02月
2017年 12月
2017年 11月
2016年 02月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 05月
2014年 03月
2013年 12月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 08月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 10月
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧